窓の外には、街が広がっている。高い所を走るモノレールの窓からは、いつもの街が遠くまで見える。ところどころに建つマンション、一軒家の街並み。天気のいい日は遠くの山もよく見える。いつもの街、いつものモノレール。グレー色にかすんだ街を飛ぶように進む。窓から差し込む光が、モノレールのくもった窓を優しく包む。...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
窓の外には、街が広がっている。高い所を走るモノレールの窓からは、いつもの街が遠くまで見える。ところどころに建つマンション、一軒家の街並み。天気のいい日は遠くの山もよく見える。いつもの街、いつものモノレール。グレー色にかすんだ街を飛ぶように進む。窓から差し込む光が、モノレールのくもった窓を優しく包む。...
ニョキニョキと聳え立つビルは、まるで大木のようだ。音もなく、音が響く、音のない森うつむくたびに、そこにある風景。風もなく、風が吹く、風のない森。
木立に囲まれた小道は昼間なのに薄暗い、霧雨に濡れてところどころの電灯が点いてる。野花のともる道を行く、なんとなく月の光を集めたような黄色く光る。道を歩くたびに、囁くように咲いている。この道は歩くたびに、悲しみに包まれる。荷物取りの帰りに、祖母の墓へ。
書店へお出かけ。今日の書店はまるで密林のようだ、高い棚の上まで本棚になっている。深い密林の中を探検気分で、気になる一冊を見つけ出す。それは子供の頃に知らない森を歩く、深い森に入ったような気分になる。本の一冊一冊が、木の一本一本のようで。本棚に囲まれると、まるで密林の中にひとりいて、まわりの木の葉がざ...
空は青く、とても青い。薄緑に染まった木陰で、私は寝転んで空を見てる。世の中への無関心な冷たさで、世界を自由に創りあげる。キラキラと光る瞳で、すべてを夢のように見ていた。それは私にとっての現実だった、知らないものがこの世の中にはまだまだある。