優遇されていたということに最後まで気づかずに、この閉鎖された庭の中では、たやすく遊べるものだと思っていた。いつだって私は特別な存在だと、あなたという空間の中で、なんでも願いは叶うものだと思っていた。このドアも窓もいつでも解放されていて、誰でも好きな時に入ってこられる。誰にも負けないこの自信どこから来...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
優遇されていたということに最後まで気づかずに、この閉鎖された庭の中では、たやすく遊べるものだと思っていた。いつだって私は特別な存在だと、あなたという空間の中で、なんでも願いは叶うものだと思っていた。このドアも窓もいつでも解放されていて、誰でも好きな時に入ってこられる。誰にも負けないこの自信どこから来...
今まさに読んでいる本と、これから読もうと思っている本。読もうと思って買ってきた本、新しい本と古い本。これらはすべて読もうと思いながら、中々読めないでいる。あまりに本を買い過ぎているのも事実だけど、それらも随分と少なくなった。なにせ、時間がたくさんとれたからである。定期的に本棚の整理も欠かせないこれも...
もろはのやいばで月を切る、うすく向こうがすけるよう。
私の瞳は空を切る、うすく向こうがすけるよう。
月の光でといだ氷のやいば。
傷つけてあげる。あなたがそうと気づかない方法で。あなたはいつかひとり、夜の道へさまよい出て。なんとなく空を見上げるような時、なにかとても大切なものを失ったような、そんな気になるよう。そして私の、悲しみとともに二人。別々に、泣きましょう。
カラカラと枯葉の音につつまれて、あの人と歩いたことが夢のようです。静かな月のない夜に、足もとのまわりだけカラカラと音を立ててたね。あの人は何かを言いそうになったけど、私は聞きたかったけど、結局、二人とも怖がりでしかたなかったんだ。あの人の長いマフラーを、二人寄り添ってまいて歩いたね。胸ポケットから顔...