冷蔵庫から取り出された缶ビールは、外気に触れて小さな水滴をつけた。小さな水滴はやがて集約され大きな水滴になり、引力に逆らうように不規則な軌跡を描いてテーブルに達した。水滴は太陽が七色に分解して反射した。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
冷蔵庫から取り出された缶ビールは、外気に触れて小さな水滴をつけた。小さな水滴はやがて集約され大きな水滴になり、引力に逆らうように不規則な軌跡を描いてテーブルに達した。水滴は太陽が七色に分解して反射した。
梅雨だというのに、なんと蒸し暑いことか。梅雨あけしたのか、しないのか。帰り道の交差点前、花屋のマーガレットがきれいに見えた。そう、あの子はたしかマーガレットが好きだった。あの子の最後の言葉。あたしのことを忘れても、あたしの好きなマーガレットは時々思い出して・・だった。マーガレットをたくさん買いました...
アメリカンは少し大きめのカップ、ブレンドは少し小さめなカップ。店内は空いているがカウンター席に座ると、隣の婦人が「マスターあの人と別れたょ」の話が耳に入る。私も何度か見かけたことのある婦人、マスターはこの夫妻の知り合いで夫婦喧嘩の仲裁をよくしてたらしい。そういえば夫妻でコーヒーを飲んでたのを何度か見...
嵐のように去っていった彼女、夕べは夜中まで大変だった。ひとつ付け加えると彼女が来る前にもうひとりの珍客がいた、そいつはサルで彼女はイヌだから。当然のことながら何を話してもお互い気に入らない、そんな状態なのに一緒に酒を飲むもんだから、結果は見えている。なので中立国の私はというと、本来ならば止めるかなだ...
私には、唯一ひとりだけ女友だちがいる。友だちなので、平気で私の家に遊びに来るし泊ってもいく。悪友たちは言う、よく関係を我慢できるねって。それくらい、魅力的な子なのだ。実際に何度かそういう場面はあったけど、一線は越えなかったので今があるのだろう。彼女はレズでも性同一性障害でも何でもない、普通の女性であ...