Nicotto Town


✪マークは作り話でし


✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし

あの町

私は、この町が好きだ。夜になるとたくさんの星が見える。夏は涼しい風が吹く。冬はキレイな山が見える。そして、時間がゆっくりと流れている。幼い頃はじめてこの町に来た時、町全体ののんびり加減におどろいた。人の歩く速さも車の走るスピードも、私の住んでいる町とは違っていた。それぞれの年代の人たちが、自分のペー...

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✪ 紅彗星酒

あなたは誰と飲みたいだろう、こんな酒があったら。ひとり、それともふたり、いやいや大勢で。ᢱ 紅彗星長い長い夜を静かに過ごしたいと 願う人のために作られた食前酒つまりは夜通しひたすら飲むための酒である だがこの種の酒としては珍しく飲む者を寡黙にさせる酒でどれほどおしゃべりな人でも 言葉を失ってしまう失...

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手紙

あの子が忘れていった、手紙がテーブルの下に落ちていた。とても大切なもの、すぐにそう思った。ここにあることを。直接、手渡されたものじゃないので。返した方がイイのだろうか? 、きっとまだ家にはついてないはず。深い藍色の封筒、まわりの空気が同じ藍色に変わる。窓の外も藍色に広がっている、しんしんと夕方がその...

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月の色

月の光を集めた黄色い声で、          あなたに囁く愛欲の言葉。                         

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九月

夏が終わり、九月がやって来る。ひたひたひたと空気中に、拡散していく秋のつぶ。また食欲の秋がやって来る。風に乗って枯葉の匂い、九月のつぶが雨のように降りそそぐ。あたりいちめん漂い出すと、時間とともに涼しい風が吹く。十月が外で待っていて、私を遊びに誘う。

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