母方の祖父祖母が眠る墓のまわりには、植木畑が広がっているそれは今も変わらない。変わったのは、私。出荷を待つ苗木や幼木は、そもそも人の手によって植えられた樹木がつづく林だ。子供の頃の私は森歩きが好きだったので、チョットした森林ロードを散歩感覚でよく歩いた。ここは、人の出入りは自由だったので。枝葉が茂っ...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
母方の祖父祖母が眠る墓のまわりには、植木畑が広がっているそれは今も変わらない。変わったのは、私。出荷を待つ苗木や幼木は、そもそも人の手によって植えられた樹木がつづく林だ。子供の頃の私は森歩きが好きだったので、チョットした森林ロードを散歩感覚でよく歩いた。ここは、人の出入りは自由だったので。枝葉が茂っ...
♡ ねぇ このことはだれにも話さないでね
♠ うん ぼく お隣さんのポチ以外には だれにも
♡ そぅ ポチならいいけど タマにはだめょ
♠ どうして ? ♡ ネコパンチされるかもしれないでしょ
♠ うん ぜったいにぜったいに言わないょ ...
別れてからあと幾日。私たちは微笑みあい、わずかな痛みを感じあいながら。泣いたりして、心を凍らせる。終わらないと思っていた恋の中で、台風の後のようなすごい青空。好きだょ、心から好きなんだ。本当に、悲しいことばかり言ってごめんね。あなたを追い詰めて試しただけなんだょ、知ってると思ってた。気にしてたなんて...
あの人とドライブしたのは、たったの二度きりだった。一度目は、雨で送ってくれた時。二度目は、湖を見に行った時。すべてがきれいで、ありのままだった。私はなぜか、これっきりだと思っていた。心の中ではとても、神妙にしていた。何もかもに、意味をみつけていた。あの人がすこし迷った後、歩いて行った方向。あの人が選...
もっと大きなものに、立ち向かっているとするならば。この頬をつたって落ちる光は、涙かも知れず。空を見るように下から上へ見上げると、涙が消えることを信じて。10月の雨粒が、その涙をぼかしてくれる。