空白に爪を立てる
その傷口から愛の欠片が溢れ出る
暑い夏がやって来た
半年前
私は愛をはらんだのだ
吹雪く冬の日に
クリスマスキャンドルを見つめながら
それは疑いのないもの
確信だった
そして
あなたの影すら見えない春の日も
涙で霞む幻の中に
咲く花の香りの中にあなたを感じていた
空が...
空白に爪を立てる
その傷口から愛の欠片が溢れ出る
暑い夏がやって来た
半年前
私は愛をはらんだのだ
吹雪く冬の日に
クリスマスキャンドルを見つめながら
それは疑いのないもの
確信だった
そして
あなたの影すら見えない春の日も
涙で霞む幻の中に
咲く花の香りの中にあなたを感じていた
空が...
京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ
打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤
四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす
新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも鉾はそそり立...
振り返ると
私の通った道に花が咲いている
それは私が植えたものなのか
そこに最初から根付いていたのかは解らない
でも多くの花の中に混ざって
私だけの色がある
それは私自身にしかわからない
私の色なのだろう
赤でも無く
白でも無い
黄でも無く
紫でも無い
熱を持った
オレンジに近い色であっ...
その青の中に私は居た
澄みきった青の中に
ジェル状の空間が私を包む
やさしい花の香りがした
私はその場でけし粒のように小さくなり
眠りについた
目が覚めると
赤の中に私は居た
空気が赤く染まり
それは高温で燃えていた
熱のゆらぎが私を襲い
乾ききった砂の味がした
赤の躍動が見える
息を切...
一本の細い道が
私の前にある
それは
荒れ果てた野の中へと続いている
奥深い森林の中にあったと言う
王宮やその街並み
栄華の後は跡形もなく
崩れかけた石碑の名を尋ねても知る人は誰もいない
この道をかつて歩いた人々は
いったい何処へ消えてしまったのか
道端に小さく咲いている白い花に尋ねても
...