自作小説 短編「三姉妹の朝」
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/09/13 14:59:56
コーヒーを子供が飲むことを禁止する――高岡家の三姉妹に言い渡されたルールは、一子《いちこ》が「コーヒーを飲んでみたい」 とわざわざ高岡両親に許可を申請したことにより、発布されてしまったルールである。 「なぜ禁止なのか?」 一子の問いに、高岡母《おかあさん》は言い放つ。「親が駄目と言ったら、駄目なの...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
コーヒーを子供が飲むことを禁止する――高岡家の三姉妹に言い渡されたルールは、一子《いちこ》が「コーヒーを飲んでみたい」 とわざわざ高岡両親に許可を申請したことにより、発布されてしまったルールである。 「なぜ禁止なのか?」 一子の問いに、高岡母《おかあさん》は言い放つ。「親が駄目と言ったら、駄目なの...
第九話 クチナシユートピア
クチナシ市からいじめが消失した。 クチナシ市の子供階級のトップに立つのが紬である以上、いじめの発生は許されぬ不文律が醸成(じょうせい)されていった結果だ。 紬は全く自覚してない。いじめの発生の芽を無自覚の力でねじ潰した。子供たちは自覚のないトップを遠巻きにして従ってい...
第八話 事件の収束とその余波
騒ぎが大きくなりつつあることに気が付いた畑中(はたなか)先生が、事態収拾のため動こうとした。その時、思わぬところから声があがった。 橋本紬(はしもと つむぎ)だった。紬が新品の「超理解 爬虫類ワールド」を畑中先生に差し出したのだ。「わたしが、返却手続きの終わっていな...
第七話 事件発覚
図書室担当の畑中(はたなか)先生が、寺田遥斗(てらだ はると)を呼び止めた。「本の返却した?」「恐竜の本なら、返しました」「返却されていないんだよね」「え、だって俺、大崎(おおさき)さんに渡した……」
大崎留美(おおさき るみ)は顔を真っ赤にして畑中...
第六話 及川静香の手法
就寝中の紬の部屋に、遅い帰宅を果たした及川静香がそっと入って来た。紬を起こさないように慎重に引き出しを開け、探し始める。 母親が探すとは思っていなかったのか、二番目の引き出しに放りこんであった包みが、いとも簡単に見つかった。 静香は一旦、本を持って部屋の外に出て、じっくり破...