外国映画で見る遊園地は、日本のものとはだいぶ様子が違う。回転木馬や観覧車、そんなものがよく似合う。サーカスのように祭りの時だけ出現する、移動遊園地というものも面白い。周辺に怪しげな市もたち、くじ売りや自動オルガン弾きのような人たちが集まる。くじというと昔は鳥の運んでくるおみくじが、百貨店の屋上などに...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
外国映画で見る遊園地は、日本のものとはだいぶ様子が違う。回転木馬や観覧車、そんなものがよく似合う。サーカスのように祭りの時だけ出現する、移動遊園地というものも面白い。周辺に怪しげな市もたち、くじ売りや自動オルガン弾きのような人たちが集まる。くじというと昔は鳥の運んでくるおみくじが、百貨店の屋上などに...
話の中で彩色の表現をする時、おしゃれなカタカナ文字は避けていた。色を表現する時の纎細な日本語が、忘れられてしまうのが嫌だからと勝手に思っている。若かった頃はカッコつけでカタカナ名を持つ色の名を、それらしく語ったりしていたのだが。それは西洋にただ翻弄されていただけで。そんな記憶が蘇ると、なんとなく恥ず...
夕方の帰り道は、かすかに出ている月を見て。しあわせなんて空の中、好き好きなんて風の中。せめて明日の思い出に、その優しさをくださいと。呪文のように口ずさんだ、あの日。ため息のようにうつむけば、頭の上の三日月が笑ってた。冷たくふたりをてらされて、手と手をとった帰り道。
時計は三時、よく思い出す言葉がある。今日のおやつは ? 、母に尋ねると。帰ってくる答えは、ぶんぶく茶釜・・と。またかと、あまり気にしなかったが。母は文明堂とかけてたのだろうと、隣で聞いていた祖母が笑いながら言った。そしてよく出してくれた動物の形のクッキー、味はいまいちだったけど造形は凝りに凝っていた...