ユリ01「旅」
(4)
「お前はそう思わんか……人間も不思議なものだな」
低い声で奴は言った。立体型マスクを黒くした様な物のせいで、こえはくぐもって聞こえた。
「まぁ慣れとはそういうものだな。無理はない」
なんだか一人で納得したようだ。
電車が止まった。
「着いたみたいだぞ」
...
どうでもいいことを書いています
ユリ01「旅」
(4)
「お前はそう思わんか……人間も不思議なものだな」
低い声で奴は言った。立体型マスクを黒くした様な物のせいで、こえはくぐもって聞こえた。
「まぁ慣れとはそういうものだな。無理はない」
なんだか一人で納得したようだ。
電車が止まった。
「着いたみたいだぞ」
...
(3)
ユリは家に帰りドアを開けた。
中は静まり返っていた。ごくりとつばを飲み込む。
ひんやりとした雰囲気は、まるでユリという異物を拒絶しているようだった。
いつもの棚をあさり、ユリは財布を取り出した。
自慢じゃあないが、貯金はたまっていた。
suikaを取り出す。たしか母さんが作っ...
ユリ ①「旅」
(2)
みんな当たり前のように学校にいく。義務教育とか、なんとか。
でも、私行かなきゃ行けないのだろうか。
大体、法律に従わなきゃいけないのは何で?
そう思うと止められなくなった。
私はただこの国に生まれただけ、好きで生まれたんじゃない。
何で人様がきめたこと、従わ...
「お茶について」みたいですが私はまったくその知識がありません。
なので和菓子についてです。
私は和菓子が好きで、よく買ってもらったりしています。
特に、菓子細工(?)と言うのか分かりませんが、飾りがついていて花などに見立てている物が好きです。
あの滑らかな感覚がたまりませんww
ただ高いん...
ユリ ①「旅」
(1)
ジメジメした日だった。
電車がゴトゴトと揺れる。奴は私に話しかけてきた。
「電車っちゅうんは不思議なもんだな」
黒いコートに「へんちくりん」としか言いようのない黒い帽子、その姿はどう見ても変質者だ。
「え、はぁ……」
その証拠にこの座席には、私たち以外の...