Nicotto Town


金田正太郎


シーシェパード

イルカを釣った!
シーシェパード!すきがあったらかかってこい!


「風の又三郎 1941」#2-9

 和夫を探しに山に入った哲也と清は、雨を避けるために斜面にある窪みに身を隠していた。雷鳴が鳴り響く度に二人は肩をすくめた。大木の下を避けたのは、落雷の危険を避けるためなのだが、吹き込む雨に体温を奪われていく。哲也より小さい清の方が先に震え始めた。震える清の背中に哲也は自分の背を充てた。 「清、二人...

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「風の又三郎 1941」#2-8

「すごい雨だね。父さんたち、大丈夫かな」  三郎は練炭コンロでサツマイモを蒸していた鈴にそう言った。 「へえ、今日はどこまで行かはったのやろ」  父の仕事がどういうものか、実際に見たことがないのだが、道なき道を歩いて調査するようなことを聞いていた。今日は逓信省の役人が来るのだから、もうそろそろ...

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「風の又三郎 1941」#2-7

 そこに鈴が二人分の羊かんと麦茶を盆に乗せて入って来た。照子の前には漆塗りの皿に厚く切った羊かんが二つ、竹製の平たい爪楊枝が添えてある。三郎は明日の授業に体操服が必要なことを鈴に言うために鈴を探していた。そのことを聞いた鈴は、寝る前に枕元に置いておくと言って食堂を出た。照子はここに来た理由を話し、三...

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「風の又三郎 1941」#2-6

 道子を家まで送った照子は畑に急いだ。サツマイモの収穫を手伝うためだ。去年の今頃は始業式早々、発熱のために寝込んでいた。今年は体調が良い。父も母も祖母も無理に手伝うなという。 「ただいま」  照子は畑に飛び込んだ。父はイモを詰めた箱を運んでいた。祖母と母はイモを畑から抜いていた。父はイモを詰めた...

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