夜半過ぎ、
月の煌く気配がして眼を覚ました。
テーブルの上にある白い手袋は、
ちょうど月の反り具合に似ていた。
霜が降りるかもしれない、
ゆっくりと瞼をひらきながら月明りに照らされた庭を見た。
ほろほろと零れる月の光が、
寒さで凍えているようだ。
瑞々しい果実のような月の光、
それがそのまま私の唇に...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
夜半過ぎ、
月の煌く気配がして眼を覚ました。
テーブルの上にある白い手袋は、
ちょうど月の反り具合に似ていた。
霜が降りるかもしれない、
ゆっくりと瞼をひらきながら月明りに照らされた庭を見た。
ほろほろと零れる月の光が、
寒さで凍えているようだ。
瑞々しい果実のような月の光、
それがそのまま私の唇に...
他人に干渉するな、
と要求することは、
そういって、
他人に干渉している。
自分が特別だと思っている、
それ自体が特別ではない。
意識とは不自由なもの。
こうして、
自分のアイデンティティは、
素直な思考によって不可逆的に軟弱になっていく。
窓の外は冬の風。
窓と言えばタチの映画「プレイタイム」を思い出した、
鎧戸つきの窓。
まるでショウウィンドウのような、
集合住宅の窓。
それを覗くユロ氏の姿が面白かった。
今日はかなり寒くて、就寝用にと毛布を出す。
その奥に新聞紙に包まれた機械らしきものを発見、
かなり前に骨董屋で買った幻燈機である。
掃除した時にどこかにしまってしまって忘れてた、ここにあったのだ。
今は羽毛布団にしているのでほとんど毛布は使わないのだ、
だから押し入れなどはほとんど開けない。
マジッ...
悪友たちと酒を飲むたびに、
幼いころの思い出話が必ずひとつは出る。
夏の夜祭でラムネを飲んだ話が出た。
チョット薄暗い昔風のショットバー、
カウンター席だけのこじんまりとしたお店。
色気はまったくない。
しかし、ここのマスターは知る人ぞ知る映画通なのだ。
そして何かにつけて、
「あ、そのシーン、〇〇...