部屋の電話が鳴った、
懐かしい友からだった。
元気かいと友は言った、
そうでもないょと私は答えた。
今にも泣き出しそうな灰色の雲が笑った。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
部屋の電話が鳴った、
懐かしい友からだった。
元気かいと友は言った、
そうでもないょと私は答えた。
今にも泣き出しそうな灰色の雲が笑った。
風車をまわすものは、
風のようなもの。
すき通っていて、
目にはみえないもの。
私たちの心を動かすものも、
目には見えないけれど、
それはとても強い力をもっている。
大切なものを守る気持ちや勇気とか、
誇りを傷つけられた悔しさとか、
笑いがあふれるような愛とか、
いろいろ。
くるくると心の羽がよ...
心がひきあっているなら、
どんな障害があっても、
自然とあゆみよっていくものです。
そこには、
内気さや不安や躊躇や策略は、
入り込むすきがないのです。
どうしてもすれ違ってしまうとか、
相手を思いやるばかりに強気にでれないとか言うのなら、
それはやはりお互いに、
それほど求め合っているのではないで...
みかんの樹の花が香る、
朝早く庭に香りがはり出してる。
通りにも香りがおちて、
いい匂いだ。
好みにもよるのだろうけど、
私はこの香が好きだ。
挿絵画家をしている友達がいる、彼とは幼馴染だ。
大阪に移り住んで仕事をしていた彼だが、
東京に戻りアトリエを構えたとメールが届いた。
これは冷やかしがてら陣中見舞いに行かなくては、
ということでとら屋の金唾をもって出かけた。
彼氏のアトリエは少々古びたビルの三階で、
法律事務所や芸能事務所などと書か...