誰もいない静かな森の奥に家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
誰もいない海のほとりに小さな家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
それがなぜ出来ないなんて、
言わせない。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
誰もいない静かな森の奥に家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
誰もいない海のほとりに小さな家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
それがなぜ出来ないなんて、
言わせない。
夏休を待ちきれない私は叔母の屋敷にやってきた。
叔母の家に隣接していた遊園地は、
私が幼いころに廃園になり取り壊されることなく隣にある。
私の目的は、その廃園になった遊園地の探検だ。
よく泊まりに来ては、夜になるのがすごく恐かった。
隣の廃園から、夜な夜な聞こえてくる妙な声にだ。
どうしてもその声の...
昼下がりのペットショップ。
欲しい犬を見飽きたのでついでに他の鳥のブースへ、
そこでご年配のご婦人の話し声に耳を止めた。
通路側のその人は藤色のカーディガンを手に持ち、
連れのご婦人と静かな口調で話していた。
私は話の内容に興味を惹かれて耳を澄ませた。
私の田舎に面白い習慣があってね、
婚礼箪笥の...
どんてん模様の午後、
遊びに来ていた友人はあくびをしなが言った。
「そう言えば、まだあのお菓子売っているのかな ?」
それは以前に何気なく立ち寄ったお店の和菓子。
鶉の形をした、ひと口サイズのおまんじゅう。
「食べたくなった・・・ね」そう言うともう手が付けられない、
道をPCタブレットで確認しながら...
雨は気分を憂鬱にする、
今年は雨の多い日が続く。
毎日のように湿度の高い日がつづく、
雨の風景は日常になっている。
あの広々とひらけた爽快な晴天が待ち遠しい。
友だちから電話でランチのお誘い、
この雨ではどこへ出歩くのも億劫になる。
なんだかんだ言いながらもお店に着く、
向かい合わせて円卓に座るなり...