お元気ですか。私たちが冬の道で歩いた並木が白い花をつけました。さっきから下の妹がうるさく誘ってます、今日は天気がいいので近くの湖にスケート遊びに行きます。天気が悪くならなければいいのだけれど。もう何度もお手紙を書いたのに、出せずにため息を何度もつきました。私の素直をあなたは褒めてくださったけど、私は...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
お元気ですか。私たちが冬の道で歩いた並木が白い花をつけました。さっきから下の妹がうるさく誘ってます、今日は天気がいいので近くの湖にスケート遊びに行きます。天気が悪くならなければいいのだけれど。もう何度もお手紙を書いたのに、出せずにため息を何度もつきました。私の素直をあなたは褒めてくださったけど、私は...
そっと手をつないで歩いた子供の頃、真っ黒に日焼けした中学生を大人だと思ってた。小学校に入学した頃は六年生にあこがれてた。高いところがお気に入りで、ジャングルジムから走り幅飛びしてる砂場を見てた。友だちとの長い帰り道を果てしなく感じて、くらくらめまいがした。長い長いおしろい花の道を、大きな声で歌って歩...
小さい頃から母が持っていた料理本、その本は今私に引き継がれている。大人になって自分で料理を作ることが多くなった今、書棚に埋もれていた本を出してみた。長いあいだ書棚に自然に居座り、我が家の味を見守っていた主だ。久々に開くと古いレシピは現代にないものもあり、なかなか面白くて読みいっいしまう。モノクロ写真...
あなたに会うまでは。夕焼けは美しく、花々はかぐわしく、朝霧は清らかで、微笑は優しいものだった。今は。夕暮れは恋しくて、優しさは傲慢で、純潔は罪深いばかりだ。
あなたは私をこんなに大人にしてしまった。