流れ星にに包まれてシルバーの車が突っ走る。車は音もなくすごいスピードで、ブラックホールをぬける。ここは銀河流星群の星の上、その中のひとつを車は走る。恋人が彼女の髪に触れる、何か甘い言葉のクズが飛んでいった。愛、という時。人は何を思い浮かべるだろう。節度ある態度、星屑へと逃げ込む前の。恋して私たちは選...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
流れ星にに包まれてシルバーの車が突っ走る。車は音もなくすごいスピードで、ブラックホールをぬける。ここは銀河流星群の星の上、その中のひとつを車は走る。恋人が彼女の髪に触れる、何か甘い言葉のクズが飛んでいった。愛、という時。人は何を思い浮かべるだろう。節度ある態度、星屑へと逃げ込む前の。恋して私たちは選...
日中は思ったよりも暖かくて、ずっと遊んでいたので夕方にはくたびれた。帰りに写真集を買ってきた、それとドーナツも。憧れながら独り言を言いながら、ドーナツを食べながらページをめくる。夕食の時間はもうすぐだったが、部屋は薄暗くなり窓には夕焼けの紅が色濃く映る。ひざであごをささえてみた黄昏時。
涙は記憶を削除するためにある。だから、緻密な記憶を持った生き物ほど涙を流す。犬や猫にも哀しみはあるだろうが、なぜか涙を流さない。一方、人間の子供はすぐ泣く。彼らは記憶装置の容量がまだ少なく、ゆえにすべてがしっかりと記憶されている。ほとんど忘却されていない。それで、すぐに記憶が目にしみる。さらに生まれ...
酒の席でめったに出ないこんな話、そんな話をするのがわたすの友なのだ。ドストエフスキーの「罪と罰」を読んだことがない。悪友はあらすじ程度に影絵紙芝居をTVで見たという、私は手塚治虫が漫画化したものを読んだ気がするがあいまいだ。帰ってきてからその本を探してみた、本棚には新潮文庫の上・下巻がなぜか見つかっ...
悲しみが極限に達した時おとずれた、透き通った甘さに幻惑して、その時はじめてこのために多くの人々が、あえて苦痛を耐え忍んでいたのかと、隠されていた秘密の宝石を盗み見たような気になった。