北風が街をかたくきつく閉じ込めてしまえば、あまりに恋に走りがちな浮気な心も落ち着くだろう。何ものにもとらわれず負けず泣かない、強い心がほしい。ほんの少しの瞬間にさえ、涙がこぼれてしまいそうな不安定な気持で、バスの時刻を眺めて時計を見てぼんやりと、ただ時がやってくるのを待っている。あの人につれさられて...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
北風が街をかたくきつく閉じ込めてしまえば、あまりに恋に走りがちな浮気な心も落ち着くだろう。何ものにもとらわれず負けず泣かない、強い心がほしい。ほんの少しの瞬間にさえ、涙がこぼれてしまいそうな不安定な気持で、バスの時刻を眺めて時計を見てぼんやりと、ただ時がやってくるのを待っている。あの人につれさられて...
私の胸があなたにふれた時、指先が流れ星のように消えていった。りんどうのあふれる川べりで。木々のざわめきがかき消され、敏捷な小鹿のような瞳が、夜の闇へと溶けていった。私の胸があなたにふれた時、私たちの距離にふれた。
あの頃のあなたの微笑みが私には、とても「いいもの」に思えて仕方なかった。誤解されていても、バラのアーチをくぐる時、二人一緒に腰をかがめたりすることが、素敵に思えて仕方なかった。遠く、こんなに離ればなれになった今も。
精神的な日々の末に、鉄の重い扉を開けると。そこに私だけの隠れ家がある。一辺が50mほどの四角い花園だ。青い小さな花が地面をおおいつくし、木々は桃色の花であふれ。線のような枝に黄色い花が揺れている。鳥が飛び、さえずり、よい匂いがした。あたたかく明るくて、憧れや希望といった匂いがし、体は軽くなりうれしい...
私はあなたの、そういうところが好きなんだけど。あなたのそういうところを好きになる人は、もしかすると一生のうちで私しかいないかも知れない。だから、それだけの理由からでも、私を大事にしてくれてもいいと思う。