たくさんの引き出しがある。引き出しには丁寧に何が入っているのか書いてある、略称ではあるがだいたいはわかる。当然である自分で入れたものなので、しかしそれ以外は未だに何が入っているのかわからない。たまに開けては世界の裏側を旅するみたいに、チャンネルをガチャガチャと回している。お気に入りの机と椅子に座り、...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
たくさんの引き出しがある。引き出しには丁寧に何が入っているのか書いてある、略称ではあるがだいたいはわかる。当然である自分で入れたものなので、しかしそれ以外は未だに何が入っているのかわからない。たまに開けては世界の裏側を旅するみたいに、チャンネルをガチャガチャと回している。お気に入りの机と椅子に座り、...
挨拶をして、人と食事して。たわいのないことでも笑えて、時間を忘れて話をして。そんな時があるから、つらいことも忘れられる。
ひんやりとした裏道をぬけると、私の行きつけの店がある。扉を開けるとスマートボールのゴロゴロの音、思わず2ゲームほど遊んでみる。奥にはビリヤードの台が並んでいるが、誰もいない。お酒を飲みながら素手でボールを転がしてみる。ナインボールの台だけが、光だけ揺れてちぎれてざわめいている。ふりむいた私の顔は十代...