Nicotto Town


✪マークは作り話でし


✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし

✪作造 (二)

今夜は満月か~、
秋も深まった月曜日の黄昏時にクマ代さんが訪ねてきた。

心地よい風に吹かれながら月明かりを見るのも乙なもの、
暑くもなく寒くもないこの季節が一番好きだ。
家を出て少し歩くと、
土手の上を涼やかな調子でこちらに向かうクマ代さんの姿が見えた。
時刻は黄昏時である、
しかし、いかに黄昏時...

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✪作造 (一)

今年はアジサイの咲くのが遅い、
日曜の午後は決まって庭木の手入れだ。
とにかく私は何事においても、マメな性分なのだ。
今日も決まって庭木に水をやろうとしていると、
つつじの低い垣根越しにトコトコと歩いてくるクマ代さんの頭が見えた。
クマ代さんの姿が裏に消え、続いて木戸を開ける音がして、
しばらくして...

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✪本当の優しさって

日曜日の午前、私は一カ月ぶりに彼の部屋を訪れた。
「いないのか・・・久しぶりにお料理作ってあげようと思ったのに」
私は3年間の同棲生活にピリオドをうち、部屋出た。
どうしてって・・・、
最初の頃は彼の素敵な優しさしか見えなかった。
ところが突然その優しさが見えなくなって、
すると隠れていた彼の悪いと...

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悪夢

悪夢にうなされて、
君は目を覚ます。
君を包むのは闇。
何も聞こえないし何も見えない、
闇は君の心の中まで黒一色に変えていく。
君は突然気が付く、
これまで君を取り巻いていた虚構に。
偽りの世界に、
偽の笑に。
逃げなければ今すぐに、
君は決意を固めて旅に出る。

さあ君は、どこへ旅立つ ? 。

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夏日

冷蔵庫から取り出したビールの缶は、
外気に触れて小さな水滴をつけた。
私に飲まれるのを待っているかのように、
咽がごくりと声を出す。
小さな水滴はやがて集約された大きな水滴となり、
引力に逆らうように不規則な軌道を描いてテーブルに達した。

キラッ!!

真夏のような太陽が七色に分解されて反射した...

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