きっとわたしは
たくさんの偶然を経て
ここにいる
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
広い国道のいちばん外側の車線を、
鮮やかな赤いランプをつけたタクシーがゆっくりと走ってくる。
今夜も仕事で遅くなってしまった時計を見ると、
買ったばかりのデジタルの腕時計は26時を表示している。
「ハァーなんだょこの時計壊れたか ? 」
そんな時間がわからないまま手をあげてタクシーを待つ。
タクシー...
何かをひとつ手に入れる時、
失うものは決してひとつじゃない。
でも、そんな恐れなどみじんもない。
だから私は、この手に入れる。
たとえ幾つ失っても。
このドキドキにはかなわない、
さぁ~お話の続きが待っている。
扉を開こう。
諦観の中を泳ぐ
この窓からじゃ月は見えないね
遠くで金星が私を笑う
この腕も足も縛られていたなら
届かない星に焦りは感じないだろう