カルミアのかすかな匂いが、
私たちをシリアスにさせる。
雨上りの石畳の道を、
今すぐに走り出したいような焦燥。
ここにいなければならない理由なんて、
ないはず。
それなのに、
どこにも行けない私たちは、
せめてもの抵抗のように手を繋ぐ。
世界は美しいのかな、
キレイな心ではいられないのかな。
...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
カルミアのかすかな匂いが、
私たちをシリアスにさせる。
雨上りの石畳の道を、
今すぐに走り出したいような焦燥。
ここにいなければならない理由なんて、
ないはず。
それなのに、
どこにも行けない私たちは、
せめてもの抵抗のように手を繋ぐ。
世界は美しいのかな、
キレイな心ではいられないのかな。
...
魔法の扉があったらいいね。
誰にも知られずに、
ひとりきりになれる時間。
その部屋で私はずっと、
あなたのことを想っていたいな・・・・。
夜空には満月。
惑星のひずみを感じる夜には夜間劇場が開く、
夜会服をまとって劇場にくりだす。
そんな古い流行歌が露台づたいに聞こえてくる。
私は街の人たちにまじり、
笛吹きのあとを追うように歩いてゆく。
彼らが手にしている物はヴァニラとチョコシロップのソーダ水、
やがてウサギ劇場へたどりついた。
庭...
サイドミラーに映る、摩天楼の街。
見慣れた街も、毎日表情を変える。
アクセルを踏めば、自然に口ずさむラブソング。
罪な街と女を愛してる。
見様見真似のポーカーフェイスじゃ、ブラフって事が見抜かれてる。
切り札はあるのかい、手元に残ったジョーカーが一枚。
ラブゲームは連敗中。
カーラジオから流れる、ロ...