ひどく冷静に、
のこりの作業をやり終えた。
ここから出ていく、
最後の作業。
終わったすべてが、
思い出の束が、
もう重みもなく、
床にかさなる。
椅子に座って、
靴ひもを堅く結ぶ。
ため息とともに、
立ち上がり、
ドアをひろくあける。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ひどく冷静に、
のこりの作業をやり終えた。
ここから出ていく、
最後の作業。
終わったすべてが、
思い出の束が、
もう重みもなく、
床にかさなる。
椅子に座って、
靴ひもを堅く結ぶ。
ため息とともに、
立ち上がり、
ドアをひろくあける。
石を見ると思いだす、懐かしい場所がある。
蛋白石・オパールと読めばどんな石か察しがつくでしょう。
東京も広く、昔は田舎みたいな場所がいくらかありました。
凌霄花の咲く庭を持つ悪友の家はスカラ座通りにある、
街で由一ひとつだけあった映画館の名前がついていた。
スカラ座は通りのはずれにあり、
蛋白石の丸...
ワインについて語られる機会は多いが、
同列にワイングラスについて語られることは少ない。
実際に私の仲間などで飲む場合でも、
ほとんど気にして飲んでいる人は少ない。
ワイングラスの3ヵ条がある、
専用に作られたグラスを選ぶ。
形から味を逆算する楽しみを知る。
装飾品ではなく実用品と心得る。
注がれたワ...
今でさえ、
こんなに自分のことがわかっていない。
かわいそうに、
かわいそうなんだ、
あなたという人は。
だから、
いとしくてたまらない。
まわりのみんなは理由をたくさん用意する。
この世は、
うんざりするほどの理由でいっぱいだ。
ゴミのように理由で溢れている。
人はみんな理由で濁った水を飲むから、
だんだん気持まで理由で不透明になる。
躰の中に、
どんどん理由が沈殿する。
だから最後には、
自分もゴミの中。
これが大人になる丸くなる、...