今夜はワイン、飲みながら本を読む。「空と夢」「水と夢」これがいい、ワインの本なのだ。ワインの栓抜きが、らせん状に気づいて感心する。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
今夜はワイン、飲みながら本を読む。「空と夢」「水と夢」これがいい、ワインの本なのだ。ワインの栓抜きが、らせん状に気づいて感心する。
暇ならおいでょと、友だちの趣味を兼ねた未来工房へ足を運ぶ。ここではいろいろな試作品を作り、それを眺めてそのものが今の流れに乗れるかどうか?。そんなことをリサーチする工房なのだが、出来たものを眺めては「ああ、これもまた不在品か」「いや、これはどこかに行ってしまったものでしょ」「ちがうね、まだあらわれて...
子供の頃はよく目を回すことがあった。というよりもどうして人はぐるぐる回ったときに、あんなにひどいめまいに襲われるのか。大人になるとよほどのことでもない限り、自らグルグル回ったりはしない。そのかわりお酒を飲む席が多くなり酒を飲むと、めまいにそっくりな酩酊に呑まれる。
北風が街をかたくきつく閉じ込めてしまえば、あまりに恋に走りがちな浮気な心も落ち着くだろう。何ものにもとらわれず負けず泣かない、強い心がほしい。ほんの少しの瞬間にさえ、涙がこぼれてしまいそうな不安定な気持で、バスの時刻を眺めて時計を見てぼんやりと、ただ時がやってくるのを待っている。あの人につれさられて...
私の胸があなたにふれた時、指先が流れ星のように消えていった。りんどうのあふれる川べりで。木々のざわめきがかき消され、敏捷な小鹿のような瞳が、夜の闇へと溶けていった。私の胸があなたにふれた時、私たちの距離にふれた。