素足のまま廊下に出て洗面台で顔を洗う。明るい廊下の先にはガラス戸があり、我が家の洗面台はその外の一段低くなった処にある。庭からも出入りできる扉もあり、床には大理石を敷き詰めてあるが。これが意外と冬は寒くてカーペットでかくしてある。庭を照らす月の燈はそのまま扉の中に射し込んで、口をひらいた貝のように見...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
素足のまま廊下に出て洗面台で顔を洗う。明るい廊下の先にはガラス戸があり、我が家の洗面台はその外の一段低くなった処にある。庭からも出入りできる扉もあり、床には大理石を敷き詰めてあるが。これが意外と冬は寒くてカーペットでかくしてある。庭を照らす月の燈はそのまま扉の中に射し込んで、口をひらいた貝のように見...
バレンタインデーで思い出すのは、スイス製のチョコでトブラローネ。そのパッケージのような三角柱の万華鏡を持っていた。万華鏡をのぞくうちにトブラローネチョコレート(ナッツとキャラメルの粒がちりばめられた蜂蜜味のチョコ)が食べたくなり、トブラローネのパッケージを目にすると万華鏡がのぞきたくなった。万華鏡は...
ハイクラウンのフェアリーカードをなるものを見せてもらった。いつぐらいに流行った物なのか調べてみた、1977年(昭和52年)頃みたいだ。その頃ハイカカオが登場し、ケイト・グリーナウェイの絵のパッケージだった。フェアリーカードと違ったのは外箱とともに代金を送れば、パッケージと同じ絵柄のグリーティングカー...
このところ紅茶はストレート、コーヒーはブラックで飲むようになる。ポットで紅茶がでてくる店や、ネルドリップでコーヒーを淹れてくれる店に足を運ぶ。よく行くお店のゆりあべむべるは、宮澤賢治の作品の登場人物を店の名前にしていた。カウベルのついた扉の、開口がせまく奥が深いロンドンの長屋風の木造の建物である。少...
人は酒に酔うと赤くなる、ならない人もいるけどね。そのほかに恥じたりしても赤くなる、忘れてしまいたいようなことに出会ってもあるかも。悪友の説だが、赤は記憶がゼロに向かおうとしているときの色だそうな。ゼロに近い始まりの色。人はこの赤から何度でもやり直す。だから十二というひとめぐりの数字を五周した六十歳と...