キツネは物知りだね、ウサギは言った。キツネは口をひらいた。私は知っている。小さすぎるものは、目に見えない。目に見えないものは、よくない。たとえば憎しみ、たとえば病気。たとえば謀略、たとえば貧困。愛情や幸せだって目に見えないょ、ウサギは言った。キツネは口をひらいた。今、話しているのはよくないもののこと...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
キツネは物知りだね、ウサギは言った。キツネは口をひらいた。私は知っている。小さすぎるものは、目に見えない。目に見えないものは、よくない。たとえば憎しみ、たとえば病気。たとえば謀略、たとえば貧困。愛情や幸せだって目に見えないょ、ウサギは言った。キツネは口をひらいた。今、話しているのはよくないもののこと...
キツネがおぼろ月夜に丘へでて、やはり丘に出てきていた松ぼっくりにたずねた。「恋というものは、どんなものだい」「それは、つらいものだろう」「つらい?、お菓子か何かじゃなかったのかな」「食べ物とは違うさ、泣いたりするつてうわさだょ」「なんで泣くんだい」「知らんけど、恋だからだょ」「ふ~ん、そんな泣くよう...
人が持つ力はどのくらいあるのか。私の今までの中で、私がしたことと言ったら。ほんの少し、もつともっとたくさんのことをして限界を感じた事。ギリギリまであっちの限りから、こっちの限りまで行きたい。そして決してボロボロにならず、強く笑っていきたい。
私は孤独である限り、詩を書き続けるでしょう。思い出も現実も、それほど変わりのない毎日は、生きていくにはあまりにつかみどころがない。センチメンタルにもロマンチックにも、どんなふうにでもできるから。人々は夢を、見たいように見るでしょう。どうぞ幸せになってください。私があなたを守ります。
夕食の買い物帰りは藍色の夕闇につつまれてた、何気に見える蔦を絡ませた古い鳥かごのような温室。逆光で見ると鉄製の柱の曲線も、絡みつく蔦がすべて植物のように渦を巻いている。丸い天蓋は焔を点にしたように朱く、漏斗形の燈がぽっぽっと点った。