フェイトブレイカー!番外編
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/01/29 10:59:11
竜と吸血鬼。
果たしてどちらが強いのか?
どちらも人が恐れられる怪物だ。
かたや、炎を始めとする吐息を吐き、恐怖を引き起こす雄雄しい叫び。
岩を切り裂く爪に、あらゆる物を噛み砕く顎に並んだ牙。
立ちはだかるものをなぎ払う、太い尾。
その巨体にもかかわらず、空を飛ぶ為の翼。
かたや、人の形をしな...
ニコッとタウンにあるキラキラを何処で手に入れたかの(ほぼ毎日)報告。あと、ニコッと関連の話をいくつか。
竜と吸血鬼。
果たしてどちらが強いのか?
どちらも人が恐れられる怪物だ。
かたや、炎を始めとする吐息を吐き、恐怖を引き起こす雄雄しい叫び。
岩を切り裂く爪に、あらゆる物を噛み砕く顎に並んだ牙。
立ちはだかるものをなぎ払う、太い尾。
その巨体にもかかわらず、空を飛ぶ為の翼。
かたや、人の形をしな...
「…姫様。アロウの手を離しなされ」
「あっ、ごめんなさい。…でももうすぐ会えなくなるでしょうから」
シルフィアの言葉に、ローザは名残惜しげにアロウの手を離した。
「『会えなくなる』?」
「ローザ様は、クルクローク家の一人。言わば王族じゃ。
本来なら、余所者の平民がこうし...
-王女の部屋への侵入は当分の間は不問とする-
リヒト国王の判決に、何と寛大だと言う声もあれば、
吸血鬼の血を引く怪物をここに留まらせて良いものかと言う声を囁きあいながら、
謁見の間にいた貴族達は退室しつつある。
「では父上。私達はこれにて」
タプファー、シュタルク両王子もそれぞれ一礼して退室した。...
両開きの大きな扉の向こうは、巨大な広間だった。
天井は硝子張りで太陽の光が降り注ぎ、
大理石で出来た両側の壁には、名工の手によって作られたタペストリーが飾られて、
そして真正面-奥側の壁には、
白地に書物の前に交差した剣と杖の紋章-イルミナの国旗が下げられている。
広間は、赤絨毯の両脇に、甲冑を纏い...
『賢者の国』イルミナ。
その王城に向かって何人かの衛兵達が、一人の男を取り囲んで進んでいる。
中心にいるのはもちろんアロウ。
衛兵達は着かず離れずの距離を取りつつ、それでもいざという時のために、
アロウの周りを取り囲みながら、わざわざ街中の目立つ大通りを進んでいく。
「…噂ってのはアッ...
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