自作小説倶楽部12月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2025/12/31 02:02:04
『幻の夜』
「ある人の素性を調べてほしいんです。わたしは世間では不屈の実業家、不死身の男などと呼ばれています。確かに、大学を卒業してすぐに事業を立ち上げたものの失敗し、タチの悪い債権者に追われたこともあった。そこからなんとか立ち直って、十年かけて新たな事業を立ち上げて成功者になった。よくやったと我な...
『幻の夜』
「ある人の素性を調べてほしいんです。わたしは世間では不屈の実業家、不死身の男などと呼ばれています。確かに、大学を卒業してすぐに事業を立ち上げたものの失敗し、タチの悪い債権者に追われたこともあった。そこからなんとか立ち直って、十年かけて新たな事業を立ち上げて成功者になった。よくやったと我な...
『遺言騒動』
「あんまりだわ。建物を解体するなんて」興奮する母の声が聞こえた。泣いているのだろう。語尾が震えている。「確かにやりすぎだ。しかし義兄さんたちならやりそうだ。お義父さんも困った遺言をしたものだ」「エドガに残す物が無くなってしまうわ」「それは無いよ。男の子に大半の財産を継がせることになって...
『予知夢』
「あの、すいません」声を掛けられて振り向くと僕より頭ふたつ分低い女の子が僕の顔を見つめた。その表情に失望が混じる。「すいません。人違いでした」「ちょっと待って、君、5日ほどこの神社で人を探しているよね」踵を返そうとする少女を呼び止める。「ごめんなさい」「謝らなくていいよ。怒ってない。何か...
『悪魔の盲目』
「初めて彼女を見た時、そこに光があったんだ。薄暗いカフェの片隅でコークを前に彼女は瞳を閉じて音楽に耳を傾けているようだった。金色の前髪が長いまつげに交差して輝いていた。それだけでも目が離せなかったのに、彼女が目を開けると、開けた時は心臓が止まりそうだった。まさか僕を殺せる人間がいるな...
「上階の女神様」
「こんばんわ。最近忙しいですか?」背後から声を掛けられて少し驚いたが振り返ると見知った温和な笑顔があった。同時にここ数日の帰宅時間が遅いことを言われたのだと気付く。有紀子は笑顔を作り応じる。「時期的なものです。何か連絡はありますか?」相手はマンションの管理人だけあって白髪もきちんと...
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