自作小説/6月「魚『横たわる金魚』
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/06/16 19:33:07
水槽の底に横たわってる金魚を見て、私は諦めていた。何か変だと思ってから二週間、その間、手をこまねいていたわけではない。できる手段は尽くしたつもりだ。
金魚を飼うことは水質管理につきる。今、金魚が横たわってる水槽は三、四年で金魚が死んでいった。水底に横たわってる金魚はそれでも、水槽を立ち上げた当初...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
水槽の底に横たわってる金魚を見て、私は諦めていた。何か変だと思ってから二週間、その間、手をこまねいていたわけではない。できる手段は尽くしたつもりだ。
金魚を飼うことは水質管理につきる。今、金魚が横たわってる水槽は三、四年で金魚が死んでいった。水底に横たわってる金魚はそれでも、水槽を立ち上げた当初...
一か月、寝食をともにした「先輩」が、ここを出ることが決まった。みながそれぞれ待ちに待った日だから、先輩の旅立ちを複雑な気持ちではあるけれど、やはりおめでとうと快く見送りたいと、私は思った。
先輩は、いっしょに暮していた私と後輩いんこに次々声をかけられ、感極まっているようだった。とはいえ、感傷に浸って...
「始め」気だるいその掛け声で筆記具を走らせて三十分ほどたって、一通り模試の最後まで解ける所は解いて顔あげると、監督の先生は暇を持て余して外を眺めている。休日を模試監督役でつぶす羽目になった先生を私はちらりと見て、再び問題用紙に目を落とす。カンニングなど起きるはずもないーなぜなら模試受験者は私一人なの...
足先から感じる震動が以前と比べて忙しい。
そして寒い。
厳しい季節だ。しかし、一方でぐっとこみ上げる高揚感。
ご馳走にありつけるのもこの時期ならではだからだ。
袋を破るとすぐに目当ての物がはみだした。それを引きづり出していると
足に感じる震動の一つがこちらめがけて近づいて来た。
いつものことなので、...
「東京なんて、宇宙の田舎だぁー!空からみたらこの田舎も東京も距離なんてないじゃないかぁ~っ!」
真っ暗な海岸の波打ち際で。あと二か月で卒業と同時に遠距離恋愛になる彼とドライブに来た、いつもの海で私は叫んだ。
「宇宙規模で叫ばれてもなぁ…」
ザザ~と波が打ち寄せては引いていく音に紛れて苦...