【小説】ガラスの少女 その③ いじめの理由
- カテゴリ: 自作小説
- 2025/03/01 16:03:17
――――3年10組
「池田さん、なにかあったの?顔が真っ青だよ。」梶君が心配して聞いてくれました。でも、前の学校でいじめられてたことや、さっきの伊藤さんたちに言われたこと、梶君には知られたくなくって、「...平気。」とぼそっと答えました。
それからも、梶君はなにかにつけて私に優しく接してくれました...
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――――3年10組
「池田さん、なにかあったの?顔が真っ青だよ。」梶君が心配して聞いてくれました。でも、前の学校でいじめられてたことや、さっきの伊藤さんたちに言われたこと、梶君には知られたくなくって、「...平気。」とぼそっと答えました。
それからも、梶君はなにかにつけて私に優しく接してくれました...
私は池田湖桃(いけだこもも)、高校3年生です。6月も終わろうとしている今日、S高等学校に編入してきました。転校の理由は、前の学校でのいじめです。もう、人間関係がいやで、通信制の高校に行こうと思っていたのですが、このS高等学校は自由な校風でみんなのびのびしていて、いじめなどする人はいないと聞いたし、...
大地の言葉が頭から離れない。『おまえには、荷が重いだろう。』
――――3年10組放課後
湖桃は1年生たちと上手く看板係をしている。僕は安心して、生徒会室に仕事をしに行った。
――――生徒会室
生徒会室に伊藤さんが来て言った。「梶君、お仕事手伝うわ。」僕は、湖桃のところで、看板係をしてもらうより、湖...
――――梶の部屋
僕はネットで強迫性障害を検索してみた。『日常生活で、何事も必要以上に心配してしまう。』『戸締りを何度も何度も確認してしまう。』『感染症が気になって、10分以上も手を洗い続ける。』『繰り返し確認しすぎて、待ち合わせや、仕事の納期に遅れてしまう。』『やりすぎているという自覚はあるが、...
大地は愛里ちゃんとやよいちゃんを連れて帰った。
「湖桃、、僕たちも帰ろうか?」僕は出来る限り、優しく微笑んだ。でも、湖桃は、下を向いたまま黙っていた。僕はかがんで下から湖桃の顔を覗き込んだ。「湖桃、ごめんな。看板係決める時、大地や浅倉さんのように助け舟出してやれなくって。」湖桃は首を横に振って、「私...