12月自作/イルミネーション「去りゆく…」
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/12/22 14:21:06
重い足取りで雪道を踏み進めていると、ぱっとあたりが暗くなって、イルミネーションの消灯時間だと気づいた。暗くなった雪道で私は立ち止まった。足が重い。時代の光はLEDだ。日本を湧き立たせたノーベル物理学賞受賞に複雑な想いを隠せない自分が情けなかった。それが今の自分の現状なのだ。白熱電球製造の下請け会社...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
重い足取りで雪道を踏み進めていると、ぱっとあたりが暗くなって、イルミネーションの消灯時間だと気づいた。暗くなった雪道で私は立ち止まった。足が重い。時代の光はLEDだ。日本を湧き立たせたノーベル物理学賞受賞に複雑な想いを隠せない自分が情けなかった。それが今の自分の現状なのだ。白熱電球製造の下請け会社...
私の前にはココアの入ったカップが置かれていた。カップに付いてる温度計は六十度。飲む前から、生ぬるいそれが美味しいわけがないのは判っていた。しかし、目の前の飲料メーカーの担当者は祈るような気持ちでそのココアを私に差し出した。私は一口それを飲むと、すぐに伝え始めた。
「六十度では、温度がぬるすぎて、コ...
『いつもお世話になっております。
改めて書こうと思うと、なんだかとても照れますね。でもいつも顔つきあわせているのに会話が成立しない状態では、メールというのは良いコミュニケーションツールなんだなとわかりました。メールが飛び交うこの現代で私はこれが初メールですが、やはり慣れていない分、これだけ書くのに、...
僕の衝撃や葛藤を無視するように、事態は変化し続ける。やがて車は停まり、あの時のように、今の飼い主は押し黙ったまま、僕たちの入ったかごを持ち建物の中に入っていった。繰り返されるのだーでも同じ過ちを繰り返したくはない。今の飼い主が僕を抱きしめたら、いつまでも抱かれていよう、僕は決意を固めていた。同居の彼...
ほんとの飼い主に抱きしめられてしばらくして、僕はちょっと窮屈になってきた。今思うとーちょっと身をよじったから、僕はほんとの飼い主を怒らせてしまったんだ。ほんとの飼い主は、威嚇し続けるセキセイいる籠の隣に置かれた僕の籠に僕をそっと入れると
「仲良くしてやってね」
とセキセイに話しかけ、そして僕をつらそ...