仮想劇場『それでもまた陽は昇りやがる』
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/06/25 11:43:28
相も変わらず似たような日々をローテーションしている。 朝はバス停で今日の瞬きの場所を知り、 誰と話すでもなく教会前の椅子に一人腰掛け、 流れる会話に疲れたら教会のベンチで独り事を呟いている。
そこで物思いにふけるでもなく日常に集中するでもなく。 実生活の隙間を埋めているような感覚。 そして町の...
相も変わらず似たような日々をローテーションしている。 朝はバス停で今日の瞬きの場所を知り、 誰と話すでもなく教会前の椅子に一人腰掛け、 流れる会話に疲れたら教会のベンチで独り事を呟いている。
そこで物思いにふけるでもなく日常に集中するでもなく。 実生活の隙間を埋めているような感覚。 そして町の...
楽しかったことや嬉しかったこと 優しい気持ち 手のひらの残り香に託した 祈りという名の慕情
今はまだ苦しくとも 報われるまでの長い道のりだと思えば たとえば小さな灯が揺れて 今にも消えてしまいそうな そんな灯だったとしても
貴女が生きていてくれる この感覚の先に希望はあると信じているから
...
証文なんてそもそもいらないの 信頼関係がどうとかって話でもない 自分が覚えていたから約束を反故にしないだけで 記憶から完全にロストした事はそもそも無かった事と同じなの
逆に覚えているのにしらばっくれるのは上手じゃない 適えられない事なら素直に詫びたほうがずっと気が楽だし 僕はいつだって適えられ...
ぼーっと暮らしているところに何やら糸のようなものが降りてきてぼーっとしたまま引っ張ったら空から誰かの因果が落っこちてきた
拾ってみたらこれがまたキレイな水色で思わずポケットに入れて持って帰っちゃったのだ
机の上に丁寧に飾って他人の因果を眺める日々どう生きたらこんなに清々しい色で輝けるんだろうかお...
現実問題として実生活に不満を持ったことがない決して裕福ではないし優遇されてもいない総じて人並み以下の部類だと思うが不服はない
思えば学生時代からそうだった何をするにも並以下飛びぬけた能力は一つもなかったがそれを悲観したことなど一度もない社会の底辺でも生きていられるだけで上等だと思っていた
そんな...