黒いピアノと黒い猫 10
- カテゴリ: 自作小説
- 2023/09/27 19:36:25
父から聞いてはいたけれど、目の前で父が倒れているのを眺めていると不安になる。
眠っているように見えるけれど、どんなにゆすっても起きない。もちろん、耳元で呼びかけてもピクリともしない。
父は言っていた。
「ダヤン人の中には稀に、動物の霊を持って生まれてくる者がいる。俺は人間として暮らしているが、スイッ...
父から聞いてはいたけれど、目の前で父が倒れているのを眺めていると不安になる。
眠っているように見えるけれど、どんなにゆすっても起きない。もちろん、耳元で呼びかけてもピクリともしない。
父は言っていた。
「ダヤン人の中には稀に、動物の霊を持って生まれてくる者がいる。俺は人間として暮らしているが、スイッ...
ダヤン人の父と息子を「保護」するためにその家を訪れた特殊警察官3人は人の気配が全くないことに気付いた。
1人は車に残り、外から家を見張る。
2人は室内に入り、親子が隠れていないか探し始める。どこか蛙に似た表情のずんぐりした背の低い男が上官らしい。「念のために、全ての部屋の収納庫やベッドやソファの下も...
「報いって!?拳銃を持ってる人達にどうやって?」「協力してくれる仲間がいる。そのためにプランを練った。お前の協力も必要だ」
「僕が?」お父さんの目が怖い。お父さんは気が変になってしまったんじゃないだろうか。僕に何が出来るっていうんだろう。
「お前は今日から俺の第一の部下だ。同志ルービン!そして俺のこ...
父に叩かれて泣きながら家を飛び出した夜。
夜明けとともに目覚めると金色の瞳のあの猫がそばにいた。
朝の陽ざしの中で見ると、黒光りするその姿はがっしりしていてエゼルの倍くらい大きい。そっと頭を撫でると「グルルル。ウォーン」と啼いた。「お前に名前をつけようか。…バルドはどう?」バルドはじっ...
夜中にふと目が覚めると、エゼルはいなくなっていた。そしてどこか遠くから「ギャオオオウウウ!」という動物の叫び声が聞こえてきた。
いつも起こしてくれた母がいなくなって、僕は寝坊ばかりしていた。父は「もう学校に行かなくていい」と言って、僕たちはお互いに好きな時に起きて好きな時に食事する生活になった。
昼...