自作小説「いじめられない子供」第七話(全九話中)
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/08/29 09:17:06
第七話 事件発覚
図書室担当の畑中(はたなか)先生が、寺田遥斗(てらだ はると)を呼び止めた。「本の返却した?」「恐竜の本なら、返しました」「返却されていないんだよね」「え、だって俺、大崎(おおさき)さんに渡した……」
大崎留美(おおさき るみ)は顔を真っ赤にして畑中...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
第七話 事件発覚
図書室担当の畑中(はたなか)先生が、寺田遥斗(てらだ はると)を呼び止めた。「本の返却した?」「恐竜の本なら、返しました」「返却されていないんだよね」「え、だって俺、大崎(おおさき)さんに渡した……」
大崎留美(おおさき るみ)は顔を真っ赤にして畑中...
第六話 及川静香の手法
就寝中の紬の部屋に、遅い帰宅を果たした及川静香がそっと入って来た。紬を起こさないように慎重に引き出しを開け、探し始める。 母親が探すとは思っていなかったのか、二番目の引き出しに放りこんであった包みが、いとも簡単に見つかった。 静香は一旦、本を持って部屋の外に出て、じっくり破...
第五話 事件の発端
クチナシ市立第一小学校の子供社会が動いた。きっかけは橋本紬(はしもと つむぎ)の転入だった。 六年生になって、いよいよ女王として君臨するはずだった荒木舞(あらき まい)が、その座を自ら退いた。 同時に、子どもたちのうっ憤ばらしの標的だった大崎留美(おおさき るみ)の態度が豹変し...
第四話 及川静香の方針
「海王を辞めさせるのか?」 電話の向こうにいる元夫・橋本徹(はしもと とおる)の声は困惑していた。「単身赴任すればいいだけでは?」 及川静香(おいかわ しずか)が反論してくるのは予想していた。「あの娘といっしょに暮したいの。海王にいる必要はない。紬の学力なら全く問題な&he...
第三話 荒木舞が選んだ道
寺田遥斗(てらだ はると)と別れ、荒木舞(あらき まい)は自室アパートのドアを開ける。当然、両親は留守だ。 ルームウエアの着替え、キッチンに立つ。炊飯器は保温になっていた。「野菜炒め作ればいいや」 舞は独り言をつぶやきながら、カット野菜を冷蔵庫から引っぱり出した。フライパ...