【小説】真夏の罪 その⑤ SNS
- カテゴリ: 自作小説
- 2025/03/26 16:30:50
陽斗君のコロナも治って、また、学校の図書室で一緒に勉強するようになった。でも、私にあるのは、罪の意識――――このまま黙っていれば、何も起こらない。変わらず、陽斗君と過ごせる。
「美桜?顔色悪いよ。どうしたの?」心配そうに私の顔を覗き込む陽斗君。「えっ?なんでもないよ。元気♡元気♡」「美桜、花火大会...
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陽斗君のコロナも治って、また、学校の図書室で一緒に勉強するようになった。でも、私にあるのは、罪の意識――――このまま黙っていれば、何も起こらない。変わらず、陽斗君と過ごせる。
「美桜?顔色悪いよ。どうしたの?」心配そうに私の顔を覗き込む陽斗君。「えっ?なんでもないよ。元気♡元気♡」「美桜、花火大会...
まだ、明るい時間だけど、人が沢山集まってきた。河川敷には、屋台も出ていた。私たちは、暗くなるまで、屋台のところでぶらぶらすることにした。「なにか食うか?」香月君が聞いてくれた。「イカ焼き♡」「へっ?」「普通わたがしとかりんご飴とか、かわいいもんいわへんか?」「イカ焼き、好きなんだもん。」「はいはい...
夕方5時半。駅。まだ、明るい時間帯だな。陽はだいぶん傾いたけど、まだ、蒸し暑い。私は慣れない草履で一生懸命歩いてい行ったけど、ちょっと、遅刻しちゃった。
「おまたせ♡」香月君の姿を見つけて、私は笑顔になった。「おっ、馬子にも衣裳だな(笑)」香月君がちゃかす。「かわいいよ。」香月君の不意打ちの笑顔。...
花火大会当日。
「陽斗君、コロナ、大丈夫なのかしら。」おかあさんも陽斗君の心配をしてくれていた。「熱以外、症状ないらしいし、さっき電話でしゃべったけど、元気そうだったよ。」「それにしても、真夏にコロナだってねぇ。」「美桜も今日の花火大会楽しみにしてたのに、残念ね。」「おかあさんと行く?w」「陽斗君...
ミーンミーン蝉の鳴き声が頭に響く暑い夏の日。
ここは高校の図書室。夏休みの間は、午前9時から午後5時まで解放されていた。
私は岩崎美桜(いわさきみお)。高校1年生。おとなしくて、目だって可愛い訳でもない、普通の女の子だ。そんな私が、高校の図書室に行くのが日課になっていた。それは、一学期の終わりに出...