すっきりんクロニクル第2章BARプッチーニ(1)
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/11/29 23:40:12
「すっきりんクロニクル第2章 BARプッチーニ&ヴェルディにて」 え。なぜ今日は片づけしているかって? 今日でこの店を閉めるのさ。これで全部終わり。 イタリアの最近の不景気のせいかって? 違う。違うよ。 私も歳をとってマスター業もつらくな...
まあ、日々思うところをブログにつけてみましょうか。疲れない程度にね。
「すっきりんクロニクル第2章 BARプッチーニ&ヴェルディにて」 え。なぜ今日は片づけしているかって? 今日でこの店を閉めるのさ。これで全部終わり。 イタリアの最近の不景気のせいかって? 違う。違うよ。 私も歳をとってマスター業もつらくな...
金沢の狭い路地に粉雪が降り始めた。 白くなっていく路面を着物姿の白人女性が見つめている。 店の戸がすっとわずかな音を立てて開き、白い割烹着を着た男が出てきた。 黙って雪の舞う空を仰ぎ見る。 「アスタナーシャ もう入ろう。」 高倉賢がしばらくたっ...
秋が過ぎて冬が来た。
「少しでも、世界の果てに近づこう!」 すっきりんは旅に出た。
いつもの赤いコートを羽織り、電車に乗った。 向かう先は決まっていなかったが、雪の舞う日本海が見たかった。
特急しらさぎを降りると古風な金沢の街を歩いた。
狭い路地を入ると古民家が借...
ある街に詩人がいた。
詩人になった理由。
子供の頃、みんなが自分の詩を褒めてくれた。
自分の心から出る言葉を詩にしていた。言葉とそのリズムの力を信じてた。
詩を書いて、書いて、毎日が過ぎていく。詩が売れることは少なかったけど、一緒に住む彼女が支えてくれた。
夜の仕事に出かける前に、いつも彼女は置き手...