私の一族は殺し屋だ。法で裁けない悪に、天誅を下すのが主な仕事だ。 といっても、そんな大層なことをするわけではない。ただ、ちょちょいのちょいで毒薬をつくり、それを標的の食事などに混ぜ込むだけだ。まだ五年ほどしか続けてないが、それなりな風格がついてきたと、じぶんでも思う。 そんな、毒薬の材料でも、なんだ...
どうでもいいことを書いています
私の一族は殺し屋だ。法で裁けない悪に、天誅を下すのが主な仕事だ。 といっても、そんな大層なことをするわけではない。ただ、ちょちょいのちょいで毒薬をつくり、それを標的の食事などに混ぜ込むだけだ。まだ五年ほどしか続けてないが、それなりな風格がついてきたと、じぶんでも思う。 そんな、毒薬の材料でも、なんだ...
其の三
残念ながら、通帳探しは予想通りの結果となった。
「ないみたいだね…」
泉緒がそう言う。
けれど、現実を認めたくない私。
「い、いくらなんでもふざけてるだけだって」
「じゃあ、夜まで待つ?それよりも、今何円のお金があるのか確かめようよ?」
泉緒はあくまでも冷静に、判断を下す。
...
其の二
はぁ?
思わず手紙を読み直す。
どうやら私の頭がおかしいのではなさそうだ。
おかしいのは、お父さんたちの頭だと言うことね。
なんてことだ。
あまりにもショッキングな事実が判明。
逆に、私の頭がおかしかったほうがよかった……。
つまり、つまりはお父さんとお母さんが...
其の一
私の名前は、神宮藍羅。
得意なことは、特になし。
自分で言うのもなんだけど、すごく名前負けしてる。
藍羅…あいらってよむんだけどね……。(読める?)
ぶっちゃけ、小学校に入学したあたりでは、自分の名前がかけなかった。
何でこんな名前になったのか、き...
桜並木を歩いていると、誰かに呼ばれたような気がした。
振り返る。空耳?
けれどそこには、幽霊でも何もなく、確かに見知った顔があった。
「高木……」
高木悠貴。
クラスメイトの男子で、人気者。
私は結構仲がいい(と、思ってる)
もしかしたら、もしかしたら私はコイツのことが好...