サークル1月お題「新年」 キッチンにて
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/01/03 14:29:21
年越しそばを食べ終え、キッチンで洗い物をしていると、テレビは新年の歌の特番がにぎやかに始まっていた。
紅白を終わった歌手が次々、登場している。
主婦である清子は、忙しい大晦日の家事で紅白はチラチラ見るぐらいで、流れるメロディーにあわせて、家事をするのが精一杯だった。
毎年のことだし、決して形式ばって...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
年越しそばを食べ終え、キッチンで洗い物をしていると、テレビは新年の歌の特番がにぎやかに始まっていた。
紅白を終わった歌手が次々、登場している。
主婦である清子は、忙しい大晦日の家事で紅白はチラチラ見るぐらいで、流れるメロディーにあわせて、家事をするのが精一杯だった。
毎年のことだし、決して形式ばって...
外に出た空気がゆるんでいた。
こういうときの雪は水分が多くベタベタで、せっかくの除雪機にまとわりつくのがイライラするのが、作業前からわかるので、葵はげっそりした。
とはいえ、未明に道路の脇に押し寄せられた雪山は水分を含んで重たく玄関前に山になっていて、ほったらかすと雪が氷になってしまう。
モコモコの...
二羽の鳥が、ガラス越しに話していた。
ガラスの内側にはセキセイインコのピー、ガラスの外側は、雀のチュン。彼らはいつのころからか、窓越しの友達になっていた。
雀のチュンがここに来るようになったのは理由がある。窓辺に置かれたピーの鳥かご掃除のとき、大雑把な飼い主がエサ殻を、窓を開けて吹き飛ばすのだが、鼻...
「四季のない世界で」
私には四季の意味がよくわからない。
一年中、適温に管理された部屋で平和にすごしているから。
衣替えもしたいときにする。気温が関係ないから、からだが、気持ちの赴くままに衣替えもしちゃうのだ。
食べ物も一年中変わらない。野菜類も年中食べているし、生きるのに恐怖のない、すべてを守ら...
月が赤く染まる。月が開く合図だ。
新歴14年。地球での人間の繁栄と堕落を神は見放したのだろうか。
21年前、隕石が地球に落ち混乱と破壊の中でわずかな人間を残し、人類は滅亡したのだ。
しかし、人類も手をこまねいていたわけではない。
滅亡を阻止するために月にシェルターを作り、受精卵を送り込んだのだ。
...