短編 「闇の家」その7
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/08/27 16:02:47
闇を操る力があることがわかったおとうさんは、かなり衝撃を受けたらしい。私が眠り続け、村に雨が降り続いた間中、闇の家の書斎に籠りっぱなしだったらしいー勿論、それを知ったのは、私が目覚めた後しばらくしてから、おかあさんがそっと教えてくれたからだ。
村は雨が続いて、畑が冠水する被害が出始めていた。天候不...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
闇を操る力があることがわかったおとうさんは、かなり衝撃を受けたらしい。私が眠り続け、村に雨が降り続いた間中、闇の家の書斎に籠りっぱなしだったらしいー勿論、それを知ったのは、私が目覚めた後しばらくしてから、おかあさんがそっと教えてくれたからだ。
村は雨が続いて、畑が冠水する被害が出始めていた。天候不...
「おとうさん!おかあさん!」
私は必死で叫んだ。心でなく、本当に。そして暴れた。光の矢が突き刺さったがここから逃げ出したかった。
村人は、歩くのをやめて、振り返ると太陽に背を向け、暴れ叫ぶ私を驚くでもなく見るではないか。立ち止まってる村人の影がぐにゃぐにゃ変形して、わめいてるというのに、なぜ!?
「...
翌日から、少しづつおとうさんは、私を日中外に連れ出すようになった。影の訓練だと、おとうさんは重々しく宣言した。最初は日没前のちょっとの時間から始まって、訓練は少しづつ長くなっていった。まず、建物の影から。建物は動かないから簡単だろうと思ったが、おとうさんが注意した。
「建物は動かないが、太陽の光は動...
「影?」
言葉では知っていた。
「光と影」相対するもの。おかあさんが聴かせてくれるお話ではたいてい「影」は悪い象徴だった。
そういえば。
おかあさんが、「光と影」という時、いつも言葉につっかえていて、私は
「また、おかあさん、つっかえた」
と無邪気に笑っていたんだよな、思えばいろんなことがパズルの...
村人にひきずられながら、突き刺す光がなくなって痛みから解放されたので、私は目を開けて、周りを見回した。いろんな景色と色が飛び込んでくる。闇の家とまったくの別世界が広がっていた。
そして、一番見たかった自分の姿。村人にひきずられてる自分に目を向ける。
「?」
理解できなかった。ひきずられてるのは、村人...