自作小説1月お題/男「ご神木」
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/01/03 03:54:18
「ご神木が・・・」
すでに男の意識は混濁していた。言葉は意味をなさず夢の世界の中の言葉であり、単に寝言になって付き添ってる妻や娘の気持ちを撹乱していた。
彼は切った木を合板にする仕事に一生を捧げた男だ。
「切った木の後に植林をするんだ」
よく彼は言い訳のように酒を呑みながらつぶやいた。横で聴いていた...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
「ご神木が・・・」
すでに男の意識は混濁していた。言葉は意味をなさず夢の世界の中の言葉であり、単に寝言になって付き添ってる妻や娘の気持ちを撹乱していた。
彼は切った木を合板にする仕事に一生を捧げた男だ。
「切った木の後に植林をするんだ」
よく彼は言い訳のように酒を呑みながらつぶやいた。横で聴いていた...
あたりが暗くなるのが早くなってきた。日中ごそごそ活動していた僕たち
も、次第に暗くなるのに比例して、無口になり、やがてうつらうつらと
眠りに入る。
いつもなら、夢を見始めるころ、ドタバタと音がして
「ごめんね~」
という飼い主の声とともにあたりがパッと明るくなって、僕たちは寝ぼけながら
も飼い主に
...
沿岸を走る単線から見える漆黒の海岸の波を見つめる彼女は、電車に残った数名の乗客の奇異の目に晒されていた。この時間にこの電車にいまだに乗ってる彼女は、顔なじみの常連客の中で異常としか言い用がなかった。
女優と見間違うオーラをあたりに放ちながら彼女は自分への視線を全く気にする様子もなく、打ち寄せる波が延...
子供にはカボチャをくり抜くのが難しかったから、ハロウィンのカボチャを母に頼んだことがあった。母が作ったカボチャはシンプルで迫力のかけらものなかった。
「もっと怖いゲジゲジな口とか三角の怖い目にして欲しいよぉ」
私がだだを捏ねると、何気なく母が
「ろうそくの火で複雑な影ができると困るから」
そうつぶや...
「私、ここにいたい。おとうさんとおかあさんといっしょに暮らしたい。影の練習やめてずっとこの家の中で暮らすのは?おかあさんと同じく闇に力を吸収してもらえばいいんじゃない?」
必死だった。でもおかあさんは頭を横に振った。
「また、あなたが黙って抜け出すかもしれないわよね?興味いっぱいの年頃ですもの。それ...