【舞踏会】(「契約の龍」SIDE-C)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/10/14 07:10:34
三度会場に入ったときは、ちょうどダンスの真っ最中だった。
踊っている何組かの中に、青いドレスを見つけたが、ずっと目で追うのは困難だった。絶えず移動していて、その軌道も一定ではなく、ほとんどフロア中を動き回っているようだったから。ひきずりまわしているのがどちらなのかは、ちょっと見てとれないが。
「...
ぶろぐ、の、ようなもの。
三度会場に入ったときは、ちょうどダンスの真っ最中だった。
踊っている何組かの中に、青いドレスを見つけたが、ずっと目で追うのは困難だった。絶えず移動していて、その軌道も一定ではなく、ほとんどフロア中を動き回っているようだったから。ひきずりまわしているのがどちらなのかは、ちょっと見てとれないが。
「...
昔話をしよう。
男ばかり七人兄弟のいる、ある旧家があった。
跡取りとして男子は必要だが、それは一人か二人、せいぜい三人もいれば十分で、いくらなんでも、七人は多すぎた。
そのうちは、家格こそ上位で由緒はあるものの、先代の些細な失策が原因で、少しずつその家の政治上の勢い、というものが削ぎ取られて...
何でみんな私を連れ出そうとするとき、アレクに「借りる」っていうんだ?私はアレクの所有物じゃないのに。
先に立って歩く魔法使いにその事を指摘すると、立ち止まって振り返り、感じのいい笑顔で(被り物は広間を出るとすぐに取って、脇に抱えていた)こう答えた。「では、逆だったらどうお思いになります?」
逆...
会場は、一種の異様な雰囲気に包まれていた。ここで目立とうと思ったら、人じゃないものに化けるくらいしないといけないかもしれない。
「よかったね。これならお望みどおり目立たずに済むかもしれないよ」
「目立たない、というか…目が天井の方をつい見てしまうんだが。天井の方に何かがある、という訳...
当日の支度には三時間かけた。
あらかじめセシリアには、私の部屋の方に移動していてもらってあった。久しぶりにポチの気配を傍に感じて眠るのは、なんだかくすぐったかった。
夜明け前にアレクを叩き起して全身を洗わせ、出てきたところで、化粧の下地作り。
次に、時間がかかるまとめ髪の下準備。
「えーと&...