「契約の龍」(123)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/10/25 02:54:56
「なかなか興味深い解答を聞かせて貰いました」
クリスの口頭試問を終えた後、学長が二人を見比べて言った。
「早い復学を期待していますよ。あと、無期限休学の叔父上も、できれば復学していただけると嬉しいですけどねぇ」
無期限休学…そういう扱いになっているのか。つくづく、「ゲオルギア」...
ぶろぐ、の、ようなもの。
「なかなか興味深い解答を聞かせて貰いました」
クリスの口頭試問を終えた後、学長が二人を見比べて言った。
「早い復学を期待していますよ。あと、無期限休学の叔父上も、できれば復学していただけると嬉しいですけどねぇ」
無期限休学…そういう扱いになっているのか。つくづく、「ゲオルギア」...
「魔法とは何か」
口頭試問の一問目が、いきなりこれだ。
だが、頭の中に入ってる講義録をひっくり返してみても、学長が「総論」の講義でこのような内容を口にした事は、一度もなかったはずだ。人伝に聞いた、過去の試験内容でも、このような設問はなかった、と思う。立会人を頼まれた王宮の魔法使いも目をむいてい...
「おにーちゃん、これ、預かっといて」
翌朝、荷物をまとめていたセシリアが、思いついたようにこう言った。これ、というのは、セシリアがクリスからもらった例の人形だ。
「…預かる、って、いつまで?」
「いつまで、かは判んないけど…クリスちゃんの用事が片付くまで」
「用...
新年の訪れる鐘が鳴り響き、冬至祭の終幕を告げた。
「明後日の昼過ぎ、祖母がやってくるそうだ。……それまで、残ってもらえるか?」
窓際で、降る雪を見ながら、クリスがぽつりと言った。
予定では、新年の謁見に来る学長と一緒に学院へ帰る事になっていた。
だが、クリスは「...
「そういう服も、むろん、嫌いではありませんでした。肌触りが良ければ。苦手なのは…」
首を巡らせて、アレクを探す。…さっきの場所から動いていない。
「…ああいう服です」
「なるほど、な。そなたも苦手であろう?」
「あんな服を自分から進んで着たがるような方は、...