キャラバン隊と離れて二人で旅をすることになった。
リルドは別れを惜しんでいるようだが、カリスは気にも留めていなかった。
確かにいい人も多かったが、暴走のたびの陰口はひどいものだった。暴走の頻度が増すたびに、陰口は酷くなっていく。
このままでは、日常でも暴走しかねないと心配していた。
「しかし...
キャラバン隊と離れて二人で旅をすることになった。
リルドは別れを惜しんでいるようだが、カリスは気にも留めていなかった。
確かにいい人も多かったが、暴走のたびの陰口はひどいものだった。暴走の頻度が増すたびに、陰口は酷くなっていく。
このままでは、日常でも暴走しかねないと心配していた。
「しかし...
「それで、予算をいただきたいのですがよろしいでしょうか」
北の大国…王城の玉座の間に繋がるはずの扉の前。なにやら楽しげな魔族の声が響く。
「…人間に魔物の種を埋め込む…か」
扉の奥から響いてくる声。魔王と呼ばれる者の声であることは間違いないようだが、なにやら抑揚無く疲れをにじませている。
「...
キャラバン隊は街までの道中、何度か野営をした。
その間に、誤解が解けたのかあるいは隔離するのも面倒なのか、二人の扱いが最初の頃に戻っていた。
一応、見張りらしき守人がついて歩いてるが、それ以外は何ら変化は無い。
なにより、キャラバン隊の前に現れるモンスターは、目玉のような特殊な物ではなく、普通...
カリスは揺られる馬車の中で目が覚めた。
ぼんやりとした視界には、心配そうに覗き込むキャラバン隊の一人だろう人物が入ってくる。
「気がついたか」
心配そうではあるけど、どこか固い感じの声が響いてくる。
「…どうなったんです」
目玉の攻撃以降の記憶が無いカリスにとっては、どうあって倒して馬車に...
「カリス!!」
目玉の変化にいち早く気がついたリルドの叫びは…しかし、飛び出していたかリスを止める事は出来なかった。
目玉から放たれた光線は、僅かにカリスを逸れていて直撃こそは免れたものの、ただではすまなかった。
いくつかの回復魔法が飛び交う中、カリスは動けないでいた。
「いき…てるのか?」...
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