*一般公開【人と妖と硲者・第一部】・序章http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1185801&aid=63987904一章・壱話http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1185801&aid=6...
*一般公開【人と妖と硲者・第一部】・序章http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1185801&aid=63987904一章・壱話http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1185801&aid=6...
息を整えながら姉は静かに語り出す。「最初は白水さんと1人の男性が見えました。それが、貴方の言っていた人ですね?」確認をとるかのように姉は女を見たい。女は頷く。「私は妖でしたが、彼はそんな私でも差別すること無く優しくしてくれました。その日、私は嫌な予感がして彼を必死で海に行くのを止めたのですが彼はそれ...
女は白水(しらうず)と名乗った。姉の想像通り、彼女は雨女に間違い無く、雨が続いた原因も自分だと言っている。「本当に申し訳なく思っております…」項垂れるように自分の行った行為を告白する女は本人に自分が悪かったと思っているようで、表情から罪悪感を感じている事が見て取れた。「でも、どうして雨...
柳川は本当にそこら辺にあった民家に勝手に入り込み、勝手に家の物をまるで自分の家かのように使っている。柳川の言った通り、家の中には誰も居らず、しばらく帰ってきていないのがわかった。女の妖を適当な場所に寝かせ、目覚めるのを待つ。「柳川さんって、時々強引よね」女の横で姿勢正しく座る姉はポソっと、思ったこと...
一向に止む気配のない雨の中原因と考えられる妖を探し回ることはや一時間。妖気が霧の中に混じっていて妖気をたどることもできず、霧や雨のせいで視界も悪い。民家もほとんど無く、村の人に聞こうにも人1人すら見かけない。簡単に考えすぎていたが、この妖怪探しは想像以上に困難なのかもしれない。「これは体力よりも気力...