異本 幕末伝
その25 いやん、馬関海峡
慶応2年(1866)6月.下関.豪商白石正一郎邸
「おなご衆に受けのええ、(ぷろぐ)を、作ろう思うたら、
どねえしたら、ええんかのう、坂本君?」
目の吊り上った、馬面が尋ねた。
「そりゃあ、高杉さん、何ちゅうたち、ジャニーズ主演が
一番ぜよ!...
異本 幕末伝
その25 いやん、馬関海峡
慶応2年(1866)6月.下関.豪商白石正一郎邸
「おなご衆に受けのええ、(ぷろぐ)を、作ろう思うたら、
どねえしたら、ええんかのう、坂本君?」
目の吊り上った、馬面が尋ねた。
「そりゃあ、高杉さん、何ちゅうたち、ジャニーズ主演が
一番ぜよ!...
窓からベランダ越しに見える、道路を隔てた向かいのマンションの隣の
雑居ビルの屋上からのぞいている空は一面薄っすらとした白い雲に
覆われていて、時折聞こえて来る、雨垂れがコンクリートを打つ音が
雨がずっと降り続いている事を窺わせた。
先週、香津子が、居なくなった事がわかった夜にも雨は同じ...
2003年2月〇日、ピョンヤン・高麗ホテル3215号室 -北朝鮮
チェックインを済ませ部屋に入った時、窓の外を見るとまだ陽が落ちるまでに少し時間がある様だった。
男は窓際に立って、窓の外の夕日に映えるピョンヤン市街の景色を眺めてみる。
広々とした通りに通行す...
空調の効いたレストランの窓から外の風景を眺めると
全ての物がほぼ真上から照りつける真夏の灼熱の太陽で
目に眩しく映った。
国道の向こう側の畑が広がっているさらにその先に基地の
柵が滑走路に沿って伸びていて、滑走路と3機の航空機が
並んだ駐機場の向こう側に、管制塔と3つ並んだかまぼこ型の...
異本 幕末伝
その23 (船中八策)
冬彦のソナタ、砂漠で裁く、羊肉をめぐる冒険、卑劣のアッコちゃん、
返済バカボン、しょうが畑にしょうがない話...
「...どうもアンタが、持って来たモノは、俺にはよく
わからねえんだが...」
四角い顔の男が首を捻った。
「ほうですか...