腐女子なんて知らないよ
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/10/01 09:55:21
俺の彼女は腐女子である。らしい。
腐女子がなんたるかは、俺には理解を超えている話だ。
ちなみに、最初から知っていたわけではない。
いや、オタクっぽい事は承知で付き合ったんだ。
ワタシ、アニメとか好きだよ~って言ったし、俺だってワンピースとかしっかり録画して見てたりしてる。
メラメラの実とかちょっ...
俺の彼女は腐女子である。らしい。
腐女子がなんたるかは、俺には理解を超えている話だ。
ちなみに、最初から知っていたわけではない。
いや、オタクっぽい事は承知で付き合ったんだ。
ワタシ、アニメとか好きだよ~って言ったし、俺だってワンピースとかしっかり録画して見てたりしてる。
メラメラの実とかちょっ...
四角い部屋の中にいた。
窓も扉もなく、白い壁だけの部屋。
寂しい部屋である。
部屋の中央に白いテーブルがあり、そこに白い皿の上にしなびたレタスが乗っている。
レタスからはみずみずしさは感じられない。
レタスを手に取ると嫌な重さが手を支配する。
『それは、アナタです』
部屋から声が聞こえた。
レタスが...
楽しさとは、自分から捥ぎ取るモノなのか。
それとも、他の誰かから与えられるモノなのか。
自分の持つ志向、立場、環境、思想、状況に左右されるものなのか。
上っ面だけの付き合いしか出来ない俺の存在価値とはなにか。
思考とは、泥沼という名の湖への入水に似ている。
携帯電話が着信音を大音量で奏ではじめた。
いけない、マナーモードにするのを忘れていた。
うるせーなぁ。誰だよこんな時間に。
ディスプレイには友人の名前が表示された。
面倒くさいと思ったが、とりあえず電話に出ることにする。
『もしもーし。今平気ぃ?』
相変らず軽い調子だ。用事はなんだ。
『な...
瞳をくるくるさせてこっちをみている。
くわえて、キラキラなんて効果音も聞こえてきそうだ。
こういう時は、気をつけたほうがいいんだ。
『あのねぇ~』
と甘えた声が、かわいい唇から漏れてくる。
まずい。絶対にまずい。
『ミキねぇ、カズトにお願いがあるんだぁ~』
ほらきた。
まだ、バイト代は入って...