海に沈んだオルゴール
- カテゴリ: 自作小説
- 2026/07/04 14:31:30
随分昔に遊んだ海辺にふと立ち寄ってみた。シーズンオフではあるけれど、カフェもお土産屋さんも扉はさび付いて人の気配がない。
秋の気配の海は足をひたすと、ひんやりして気持ちいい。でも、濡れた砂浜を歩くのは思いの外疲れる・・・。「!!」そう思った瞬間、視界が揺れてわたしは両手をついて転んでしまった。
困っ...
随分昔に遊んだ海辺にふと立ち寄ってみた。シーズンオフではあるけれど、カフェもお土産屋さんも扉はさび付いて人の気配がない。
秋の気配の海は足をひたすと、ひんやりして気持ちいい。でも、濡れた砂浜を歩くのは思いの外疲れる・・・。「!!」そう思った瞬間、視界が揺れてわたしは両手をついて転んでしまった。
困っ...
浅い眠りの中、違和感で目覚める。
なにかがおかしい。
最近続いていた、背中の痛みは消えている。でも、なにかがおかしい。
そして、自分が息をしていないことに気付く。
苦しくはない。むしろ、息をしなくて良くなったことにどこかで安堵している自分がいる。
このまま、漂うように生と死の堺を超えるのだろうか。
...
長い長い夢から覚めたように思ったが、その夢を思い出すことは出来なかった。朦朧とした記憶の中で少女は絶望していた。
なぜなら、意識はあるのにあたりは闇だったから。あまりに深い闇なので、自分が視力を失っているのかもしれないと怖ろしくなるほど。
そして、手足を動かし立ち上がろうとした時その足がまるで使い物...
赤ら顔の豚や、いやらしい目つきのオオカミやすまし顔のキリン・・・酒場は今夜も飲んだくれたちの臭い息で充満してる。
あたしはこの酒場の看板娘、ピンクバニーと人は呼ぶわ。
最近常連になった一匹オオカミ、ブラッドって名乗ってるけど偽名に決まってる。いつもカウンターの片隅からあたしの姿を目で追ってる。
クー...
あれは雨の夜だった。馬車にぶつかってわたしは脚を怪我して痛みと寒さに震えていた。すると、馬車から王子様が降りてきてわたしを介抱してくれた。わたしは王子様の優しさと温かさにふれながら、日に日に回復していったわ。
でも幸福な日は長くは続かなかった。
イジワルな家来がわたしを見つけてお城から追い出して門を...