木にも意識があるのでしょうか
それは10年来車窓よりみている
広い河原
そこには何十本の木が生えている
下には背の高い雑草も群生している
木にも種類があるのだろう
春に芽吹く時期が違う
枯れてしまったのかなと最初は心配したが
数週間の遅れで明るい緑の葉が生まれてくる
12月下草は枯れて行き...
木にも意識があるのでしょうか
それは10年来車窓よりみている
広い河原
そこには何十本の木が生えている
下には背の高い雑草も群生している
木にも種類があるのだろう
春に芽吹く時期が違う
枯れてしまったのかなと最初は心配したが
数週間の遅れで明るい緑の葉が生まれてくる
12月下草は枯れて行き...
(夏の終わりに)
真赤なぜりーの色が
今さめようとしている
耳を打つ潮騒も
人を見かけなくなったという
一人波打ち際に
立ちすくんでいる彼に
振り返ることは
もう許されなかった
柔らかい夏の終わりの日差しが
それを慰めていた
海鳥たちと見ていた
じっと海を見ていた
間もなく日が沈もうと...
夢の国から吹いてくる風が
冬の香りをくれた
それは懐かしい
少し湿った雪の香りがした
白く反射する
眩しい光に目を細め
何かを追っていた頃の
あの懐かしい香だ
もう一度夢を見たい
あの頃の夢を見たい
ときめきは
雪を氷を溶かし
炎は揺らぐことなく
燃え盛っていた
長い夜がもうじきやって...
あなたを愛してしまった
そんな私の心の中に出来た黒点
燃えたぎる炎の中に
冷酷に消えては現れる
それは不安と安心が
浮かんでは消えるかのように
無表情に光る
街のイルミネーション
ダミーの様に
すれ違う見知らぬ人の群れ
私が生きていることの証は
繋いだ手のこの温もりだけ
何かが伝わる
そ...
あなたがくれた大切なものが
秋の終わりに消えていく
あなたは
一つの言葉を語っただけ
それ以外は
もう何も話してはくれない
うつむき加減の私に
セピア色の風がそよぐ
薄茶に枯れていく公園の雑草
淡く刺す光を無言で反射するガラスの欠片
私の探していたものは
いったいなに何
秋のベクトルは
...