砂漠に置き去りにされた
小羊は言った
今日も熱く焼けた
砂を飲むしかない
天使は彼を
見逃してしまった
愛はそこに見当たらなかった
心はだからしぼんでしまった
そして灼熱の下
しだいに干からびて行った
彼は夢を見ていた
そこは川のほとりだった
つま先から
そっと入った
角砂糖が融け崩れ...
砂漠に置き去りにされた
小羊は言った
今日も熱く焼けた
砂を飲むしかない
天使は彼を
見逃してしまった
愛はそこに見当たらなかった
心はだからしぼんでしまった
そして灼熱の下
しだいに干からびて行った
彼は夢を見ていた
そこは川のほとりだった
つま先から
そっと入った
角砂糖が融け崩れ...
会えるかも知れないね
風が誘ってくれたこの街で
優しい光と
澄んだ青空がきれい
駅の前の赤いポスト
初めての待ち合わせ場所
別れて半年が経ったけど
もう一度会いたいんだ
だからこの手紙を書いた
そしてあのポストへ入れたんだ
待ち合わせは赤いポスト
6月12日日曜日の10時
来てくれるかな...
小さな命
それはドジョウ君
今、大きな木の下で
眠っている
はたして君は幸せだったのであろうか
長く小さな水槽の中で暮らしていた
仲間は相棒のもう一匹のドジョウ君
今は一人で可哀そう
春の少しだけひんやりとしている
今日の朝
小さな穴を
小さなシャベルで君の為に開ける
気に入ってくれるか...
紅い花が咲いている
雨に濡れている
光っている
冷たく
紅い花が咲いている
雨が降っている
音もなく
優しく
紅い花が咲いている
遠い記憶が甦る
哀しく
切なく
紅い花が咲いている
こんな近くに
香りがする
あなたの
紅い花が咲いている
雨は降り続く
心の中にも
それは激しく
紅...
赤い光が
高層ビルの上に点滅している
無言で
それは心臓の鼓動の様に
私は人混みを切り裂くように進む
仮面の行列の中を
くり返しくり返し
すれ違う人に視線を合わせる
また一人そしてまた一人
何百何千人と
今ここに
あなたはいない
私の左と右の空間は
寂しげに開いたままだ
雨が降っている...
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