想いを言の葉に乗せて(その3)
- カテゴリ: 小説/詩
- 2017/09/30 00:48:46
●みそひと文字からの誘惑(行間に秘められた想い)
『和歌のルール』渡辺泰明氏著より
自分の心を伝え、他人の心を理解する。和歌はそのために詠んだのです。
みそひと文字には、万葉の昔から選び抜かれた語句で詠まれている。
和歌は、心を込めておくるもの。とあったが、私はこれを「心の会話」と解釈した。
実に魅...
自分の思った事、感じたままを人に伝える事って実は難しい。「なにそんなんで感動するわけ?」って事が往々にして起こりうるからだ。
●みそひと文字からの誘惑(行間に秘められた想い)
『和歌のルール』渡辺泰明氏著より
自分の心を伝え、他人の心を理解する。和歌はそのために詠んだのです。
みそひと文字には、万葉の昔から選び抜かれた語句で詠まれている。
和歌は、心を込めておくるもの。とあったが、私はこれを「心の会話」と解釈した。
実に魅...
●言の葉に漢字をあてる(読みと意味に縛られて)はじめに「ことば」があった
喉元から発せられたことばは、大気に刻み付けられ、耳で読んだ。つぎに「己止波(ことば) 」があり、耳で読んだものと同じ音の文字が当てられた。
竹や木の板に記されて、目で読んだ。さらに「己止波」は、短冊に詠むのに優しく崩され「こと...
●想い描く事(写実的に伝える)
ものを書く、それが小説などの物語であったとするそれは読み手の心のカンバスに、絵を描くのに似ている小説というのは、一人の人間の生き方を表現するともいえる筆使いや絵具の色でもって、巧みに連続した情景を映しだすただ、作者は描くに必要な画材と手順をまとめて、わかり易く文字にす...
●馴れ初め
朝餉を待つだけとなった、この家のかまどからは、すでに火の気が消ていた。
この里の静けさに、色づき始めた景色を撫でた、季節にたがわぬ風が渡ってくる。
鳥の歌う声がした「みなおとすがし たいきつめたし いくるにうれし」どうやら九官鳥のようだが、どこから逃げ出してきたのだろうか。
さぞかし主は...
●血を受けし者
仏壇には、祖父ちゃんと、よしの姿が燻る香に揺られて微笑んでいた。
祖父ちゃんに梨、よしにも梨だが、これは正しい組み合わせである。
どちらもそれが好物であることだけは、しっかり忘れずにいるばあちゃん。
他の事は、怪しくなってきたが、それはやむを得ない。
「よし、あの頃は楽しかったねえ...