虹の花が咲いた空に伸びる木は かぐわしい香りがする と ギリシャの哲学者は記している それはだれにもすぐ分かるので 『虹に打たれた木』と呼ばれた 大男のきこりが山に足をかけ 巨大な斧を振るうと 雨上がりの空に 色鮮やかな弧が描かれる それは『忘れる』ということを...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
虹の花が咲いた空に伸びる木は かぐわしい香りがする と ギリシャの哲学者は記している それはだれにもすぐ分かるので 『虹に打たれた木』と呼ばれた 大男のきこりが山に足をかけ 巨大な斧を振るうと 雨上がりの空に 色鮮やかな弧が描かれる それは『忘れる』ということを...
私の心の中に 激しく燃え上がる感情 全てを押し流す洪水のときは過ぎた 私は渇き切った広い砂漠を 抱えて歩いている だが、どこに泉が湧いているかは 知っている
悲しみによって泣くのは もう耐えられるようになった 泣くための涙が少なくなってから この世界がどんなに 美しい...
むかし愛があった やさしい想いがあった このうえなく上品な言葉があった それらがいつの間にか樹になり 小枝や葉になった
枝を折って中を見ても何も見えない 耳を当てても人の耳には聞こえない 樹はあらゆる方向へ行くかのように伸び それでいて一歩たりとも動かない 動けないのでは...
一本の道が向こうからやってくる 私を通り抜けて 彼方へ去るのだろう そしてまた別の道が 私を貫き続ける それらがどんなに遠く離れ うつろにつながれ滅びてかけても 道は十字路の中で静かに重なりあっている どこまでが十字路であり どこからが道であるのか 私の卑小な生と 薄暗...
軽い頭痛を感じて目をこらすと ぼんやりとした視界の中で ifが寂しい二人連れに見えてくる
頭を垂れて先を歩いていく男と 後から付いていく僅かに背の低い女 女は男の弓形に曲がった背中を見つめてひっそり歩き続ける
針金のように痩せた二人は 長い影を引いてだんだん遠ざかる 時々か...