Nicotto Town



リズム、春の風

あなたが食べてしまった秋の風が
冬の訪れを近くに告げていた

だから空っぽに葉を落とした枝のように
私の心も今いっしょに消えて行った

針葉樹の濃い緑が
力強く影を落としている

そんな枯れた落ち葉の片隅で
消えたはずの心の残骸が虫喰っている

そこからあなたの微笑みと笑い声が
痛そうに聞こえてくる...

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とおの物語り その10  オレンジの花が咲く時

「猟師のおじいさん止めて
かわいそうだよ」

テラは叫んで
おじいさんの手にしがみついた

足元にはとどめを刺されるはずの
右目を失った黒いカラスが横たわっていた

「この子に免じて今回は許してあげよう」
おじいさんはテラを見つめてそう言った

そして後ろを振り向いた瞬間
消えてしまった

驚くテラ...

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とおの物語り  その9 ハロウィンの夜

ヤバイ、本当に太陽が消えた
東京は夜だから解らないけど

地球の裏側では大騒ぎとなっている
いったいどうなってしまったのだろう

実はお日様はハロウィンに参加中なんです
「いやいやあの日本の騒ぎ方っていいじゃん」

これはお忍びで参加するしかない
お日様はTVを見ながらそう思いました

しかしどうや...

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白い月の光に

白い月の光の中
心を染めて下さい

わたしの心を
あなたと同じ白色に

それは少し冷たく
澄んだままに

月の光で染めて下さい
わたしの心を染めて下さい

星のかすかな揺らぎな中で
風のかすかなささやきの中で

あなたと交じりあう
そんな瞬間をわたしに下さい



月の光で
何かを染められないかなっ...

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とおの物語り その8 倉建てた

むかしむかしある村に大金持ちがいました
倉の中には千両箱が3つもあるとのうわさがありました

さて
その家には二つの言い伝えがありました

一つは
裏庭に宝物を埋めてあるというもの

もう一つは
困ったとき以外掘り起こしてはいけないというものだ

埋めた場所を書いた地図は
仏壇の引き出しの桐の箱に入...

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